この問題は、昔のアメリカのテレビのゲーム番組から生まれました。ドアが3つあり、1つの後ろには車が、残り2つの後ろにはヤギがいます。挑戦者がドアを1つ選ぶと、車の場所を知っている司会者が、残り2つのドアのうちヤギがいるほうを開けます。そして司会者は挑戦者にこう聞きます。「最初に選んだドアのままにしますか? それとも、もう一方のドアに変えますか?」
多くの人は「ドアは2つ残っているのだから、五分五分では?」と考えます。でも、それは正解ではありません。ドアを変えると2/3の確率で車が当たり、変えないと1/3しか当たりません。変えるほうがちょうど2倍有利なのです。この結果はあまりにも直感とかけ離れていたので、数学者の間でさえ本気の論争が起きたことがあります。
ポイントは、司会者が「適当にどれかのドアを開けている」わけではないことです。司会者は車の場所を知っていて、必ずヤギのいるドアを開けます。この事実が、挑戦者にこっそり大事な情報を渡しているのです。最初に挑戦者が車を選ぶ確率は1/3、ヤギを選ぶ確率は2/3です。最初にヤギを選んでいた場合(2/3のケース)、司会者はもう1匹のヤギのドアを開けるしかないので、変えた先のドアは必ず車になります。逆に、最初に車を選んでいた場合(1/3のケース)は、変えると当然はずれます。まとめると、「変える」作戦が成功する確率は「最初にヤギを選んでいた確率」とまったく同じ、つまり2/3なのです。
それでもまだピンとこないなら、ドアを100枚に増やして想像してみましょう。100枚のうち1枚だけに車があり、挑戦者が1枚を選んだあと、司会者が残り99枚のうち98枚、つまり1枚を除くすべてのヤギのドアを開けて、1枚だけ残したとします。最初に選んだドアが車である確率はたったの1/100なので、残った1枚が車である確率はなんと99/100です。司会者が「役に立たないドアを全部選んで片づけてくれた」ようなものなので、変えるほうが圧倒的に有利だとずっとわかりやすくなります。
この問題が有名になったのは、確率についての直感がどれほど簡単に間違えるかを見せてくれるからです。新しい情報が加わったときに確率がどう変わるのかをきちんと考えずに、なんとなくの感覚で判断すると、すぐに間違えてしまいます。だからこそ、自分で何度もシミュレーションして、結果を自分の目で確かめるのがいちばん確実な理解の方法なのです。
アクティビティのページでは、自分でドアを選び、変えるか変えないかを決めながら何回でも遊べます。さらに「100回自動シミュレーション」ボタンを押せば、一度にたくさんの回数を試して、変えたときと変えなかったときの勝率がそれぞれ2/3と1/3に近づいていく様子を、自分の目で確かめられます。