碁盤のように細かいマス目に区切られた世界を想像してください。それぞれのマスは「生」か「死」のどちらかの状態です。この世界には神様もいないし、自分で考えるマスもありません。あるのは決まったルールがひとつだけ。まわりの8マス(ななめも含む)のうちいくつが生きているかを数え、それで次の瞬間にそのマスが生きるか死ぬかが決まります。これが、数学者ジョン・コンウェイが1970年に考えた「ライフゲーム」です。

ルールはたった4つです。① 生きているマスのまわりに生きているマスが2つ未満なら、さびしさで死にます(過疎)。② 生きているマスのまわりが2つか3つなら、そのまま次の世代も生き残ります。③ 生きているマスのまわりが4つ以上なら、混みすぎて死にます(過密)。④ 死んでいるマスのまわりにちょうど3つ生きているマスがあれば、生まれます(誕生)。このルールを盤上のすべてのマスに同時にあてはめると、1世代が進みます。これだけです。確率も偶然も一切ありません。

自分 まわり2つ → 次の世代も生き残る
真ん中のマス(太い枠)が次の世代でどうなるかは、まわりに生きているマスがいくつあるかで決まります

おもしろいのは、こんなに決まりきったルールから、思いもよらない動きが生まれることです。3マスが一列に並んだ「ブリンカー」は横一列と縦一列を行ったり来たりし、5マスでできた「グライダー」は形を保ったまま、自分でななめに盤上を進んでいきます(正確には4世代ごとに1マス)。だれも「動け」とは命じていないのに、近くのマスだけを見るルールから全体の動きが生まれるのです。一方、4マスが正方形に並んだ「ブロック」は、どのマスもまわりの生きているマスがちょうど3つなので、何世代たってもまったく変わりません。

このシンプルなルールは実はとても強力で、ライフゲームは「チューリング完全」であることが証明されています。つまり理論上は、このルールだけで論理回路や計算機を含むどんな計算でもできるということです。実際に、愛好家たちはライフゲームの中で論理ゲートを組み合わせて、動く計算機を作りました。「単純なルールから複雑なふるまいが生まれる」というこの考え方は、人工生命の研究や、山火事の広がりや都市の成長など自然現象をまねるシミュレーション(セル・オートマトン)の原点になりました。

アクティビティのページ上部の小さなマス目では、まわりのマスを自分でつけたり消したりして、真ん中のマスが次の世代で生きるか死ぬかをルールどおりに確かめられます。下の大きなマス目では、ブリンカー、ヒキガエル、グライダー、ブロックなどのパターンを選んで再生ボタンを押すと動く様子が見られます。空いているマスをクリックして、自分だけのパターンを描くこともできます。